2024.11.19
CDPツール徹底比較!あなたのビジネスに最適なプラットフォームは?
主要なCDPツールを機能や価格で徹底比較!自社に最適なCDPを選ぶポイントも解説します。
近年、データドリブンなマーケティングが急速に進化し、その中心となっているのがCDP(Customer Data Platform)です。CDPマーケティングとは、データを統合し、それに基づいて分析やマーケティング活動を行うことです。CDPはビジネスにおいて重要な存在であり、顧客理解の深化、パーソナライズ、効率的なマーケティングなど、多くの利点があります。
しかし、多種多様なCDPツールが市場に出回っている中、どれを選べばよいのか比較に迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
本記事では、主要なCDPサービスを比較し、皆さんのビジネスの参考にしていただけますと幸いです。
CDPツール比較の前に、CDPの基本的な機能について説明します。CDPは顧客データの管理と活用に特化したプラットフォームであり、その基本的な機能は多岐にわたります。
1.1 データ集約
CDPの最も基本的な機能は、さまざまなデータソースから顧客データを一元的に集約することです。これには、オフラインで管理している店舗情報や顧客情報、ウェブサイトやECサイト、SNS、CRMシステム、メールマーケティングプラットフォームなど、多くのデータソースが含まれます。
1.2 データクレンジング(クリーニング)
データが集約された後、そのデータはしばしば不整合や重複、エラーを含む可能性があります。CDPはこれらの問題を解決するために、データクレンジング(またはクリーニング)機能を提供します。これによって、高品質で一貫性のあるデータセットを確保できます。
1.3 セグメンテーション
集約され、クレンジングされたデータを基に、CDPは顧客を特定の属性や行動、購買履歴などでセグメントに分ける能力を持っています。このセグメンテーションは、ターゲティングやパーソナライゼーション、リテンション戦略に非常に有用です。
1.4 データ分析・可視化
CDPはデータの分析と可視化も行います。これは通常、ダッシュボード形式で提供され、マーケティング担当者やビジネスアナリストが瞬時にインサイトを得られるように設計されています。多くのCDPは、KPIトラッキング、ROI分析、顧客エンゲージメントの測定など、多様な分析オプションを提供しています。
1.5 パーソナライズとマーケティングオートメーション
高度なCDPは、集約されたデータと分析結果を基に、パーソナライズされたマーケティング活動を自動で展開する機能も持っています。これにより、各顧客に最も適したコンテンツやオファーをリアルタイムで提供することが可能です。
以上のような機能は、CDPがビジネスにおいて果たす多くの役割の基盤となっています。データの一元管理から洞察(インサイトとも言います)の獲得、そして具体的なマーケティングアクションまで、CDPは顧客データを最大限に活用するための一連のプロセスをサポートします。
マーケティングやビジネスにおいて重要な役割を担うCDPですが、数あるCDPツールは、その機能や特長も様々です。一体どのCDPツールが自社にとって最適なのか?何を比較したらよいのか?ここでは、CDPツールを比較選定するポイントを3つ紹介します。
2.1 目的に沿った機能が備わっているか
CDPを活用する目的は業種業態によって異なります。例えばBtoC企業とBtoB企業では、扱う顧客データの種類、セグメントしたいレイヤーや実施したい施策も異なります。どのようなデータを収集できるのか?どのようにスコアリングやセグメントができるのか?施策を実施するためのチャネルは何があるのか?など、まずは自社の目的を明らかにし、その目的に必要な機能が備わっているか確認しながら比較しましょう。
2.2 他システムとの連携のしやすさ
CDPの主な活用は、データ集約・統合・分析・施策実行です。この点において、多くのCDPは、既存システムと連携してオンラインでデータを集めたり、実店舗の購買情報や来店記録などをオフラインで収集します。そして、CRMやMA、レコメンドエンジンなど他システムを通じて施策を実行することが可能です。ただし、独自開発の既存システムなどとは連携できない場合があり、個別開発が必要となるため、連携可能なシステムを確認して比較する必要があるでしょう。
2.3 費用
機能が多く備わっているツールは、費用も比較的高額になる場合が多いです。CDPの効果はすぐに現れるものでもないため、長期的に費用対効果を考える必要があります。スモールスタートで始めたい場合は、予算内で必要最低限の機能が備わっているか?将来的な拡張性があるか?ということを考慮して比較検討するとよいでしょう。
2024年現在、主要なCDPツールにはTealium Universal Data Hub、Treasure Data CDP、CONNECTY CDP、Rtoaster insight+、b→dash、KARTE Datahubなどがあります。これらのサービスは、それぞれデータ統合、リアルタイム分析、スケーラビリティ、ソーシャルメディアデータの統合など、独自の特長と機能を持っています。各CDPサービスの比較もしましたのでご覧ください。
3.1 各CDP製品の基本情報や特長
Tealium Universal Data Hub:
顧客データをリアルタイムで集約、統合して、プロファイルを生成できることが特長のCDPツールです。1,300を超える連携機能を備え、適切なタイミングで施策を実行することが可能です。
Treasure Data CDP:
エンタープライズ向けのCDPツールです。ビッグデータ技術により細分化された情報を収集し、データ統合、分析、施策の実行のための機能を備えています。また、マーケティング、サービス、セールスの各領域で単一のプラットフォームを共有することができます。
Connecty CDP:
国産のクラウド型CDPツールです。GA4やSearchConsole、JUICER、どこどこJPなどと連携でき、ウェブ上のデータを収集することに長けています。また、カスタムレポート機能を標準で備えており、他のBIツールと連携不要で分析・レポートできることが特長です。その他、外部サービスとの連携にも柔軟に対応可能です。
Rtoaster insight+:
SQLを使ってGUI上でデータの統合・加工が可能で、マーケターでも直感的に扱うことができるCDPツールです。蓄積・統合したデータは、ご利用中のTableauやLookerなどのBIツールと連携して分析することができます。
b→dash:
誰でも簡単に使えるGUIを用い、SQLを使わずデータを扱うことができるCDPツールです。データマーケティングに必要な16機能が備わっていて、業種業態にあわせた豊富なテンプレートが特長です。
KARTE Datahub:
Web接客ツール「KARTE」のデータをより活用しやすくするために提供されているCDPツールです。BIやCRM、MAツールなど外部サービスとの間で柔軟なデータ連携を実現できることも特長です。
3.2 各CDP製品の比較表
以下の表は、主要なCDPにおける各種機能の比較を示しています。(2023年8月時点)
CDPサービス | データ統合 | リアルタイム分析 | カスタマイズ性 | 拡張性 | AI対応 | データセキュリティ |
オムニチャネル対応 |
導入企業の特徴 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Tealium Universal Data Hub | ○ | ○ | △ | △ | × | ○ | ○ | ・オムニチャネルマーケティングを推進したい企業 ・国内大手企業が多い |
Treasure Data CDP | ○ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ・大企業 ・多国籍展開 |
CONNECTY CDP | ○ | △ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ・BtoB企業、BtoC企業 ・主に国内企業 ・スモールスタートしたい企業 |
Rtoaster insight+ | ○ | △ | ○ | ○ | × | ○ | △ | ・主に国内企業 ・同社のサービスとの連携や独自カスタマイズしたい企業 |
b→dash | △ | △ | △ | ○ | ○ | ○ | △ | ・中小企業 |
KARTE Datahub | △ | ○ | △ | △ | ○ | △ | ○ | ・同社のサービスを導入している企業 |
◯: 対応 △: 一部対応 ×: 対応なし
CDPはビジネスにおいて顧客データを効率的に管理・活用するための必須ツールです。2024年現在、多くの優れたマーケティングプラットフォームが存在します。それぞれのCDPは特有の機能と強みがあり、ビジネスのニーズに応じて比較しながら最適なプラットフォームを選ぶことが重要です。CDPマーケティングは今後も進化を続け、より高度なデータ活用が可能となるでしょう。