イベントレポート
理研ビタミン株式会社 様
理研ビタミンのサイトリニューアルに学ぶ。成功の秘訣とその成果
2024年6月に当社が共催したオンラインイベントにおいて、理研ビタミンの広報・IR担当、井上与志也氏にWebサイトのフルリニューアルプロジェクトについて語っていただきました。リニューアルに至る背景、プロジェクト中に直面した課題、そして新サイトがもたらした成果について、井上氏の実体験をもとに詳しくご紹介します。デザインや機能の改善、BtoB情報発信の強化など、リニューアルの過程で得られた貴重な知見をお伝えします。
目次
■ 大手食品「理研ビタミン」がサイトフルリニューアルに至った経緯 >>
■ フルリニューアルにおける4つの課題 >>
■ リニューアルに当たっての流れと苦労したポイント >>
■ ユーザー数や滞在時間、直帰率などが改善 >>
理研ビタミンは、「リケンのノンオイル」「ふえるわかめちゃん」などで知られる食品メーカーですが、実際には家庭用食品の売上は全体の14%ほどに過ぎず、食品用改良剤やビタミン類など、BtoBの売上が圧倒的に多いという特徴があります。売上の約4分の1を海外向けのBtoB商品が占めているのも特徴の一つです。
今回のWebサイトリニューアルのきっかけは、日本語版と英語版のコーポレートサイトのトップページが全く異なっていたことでした。
「2018年4月に前回のサイトリニューアルを行ったのですが、その際に、日本語版・英語版の統合ができておらず、全く違ったテイストとなっていました。特に英語版にはIRのページが存在せず、海外の投資家向けの発信がほぼできない状態でした(井上氏)」
日本語版と英語版のデザインや管理体制が異なり、統一感がなかったため、「このままではまずい」と感じ、サイトのリニューアルを決めたのが2021年7月です。既存のWebサイトを海外向けに翻訳するか、それともフルリニューアルするか悩んだ結果、理研ビタミンはフルリニューアルを選択しました。
「どうせリニューアルするのであれば、他の課題も一緒に解決してしまった方がいいと考え、フルリニューアルを決めました(井上氏)」
今回のWebサイトリニューアルのきっかけは、日本語版と英語版のコーポレートサイトのトップページが全く異なっていたことでした。
「2018年4月に前回のサイトリニューアルを行ったのですが、その際に、日本語版・英語版の統合ができておらず、全く違ったテイストとなっていました。特に英語版にはIRのページが存在せず、海外の投資家向けの発信がほぼできない状態でした(井上氏)」
日本語版と英語版のデザインや管理体制が異なり、統一感がなかったため、「このままではまずい」と感じ、サイトのリニューアルを決めたのが2021年7月です。既存のWebサイトを海外向けに翻訳するか、それともフルリニューアルするか悩んだ結果、理研ビタミンはフルリニューアルを選択しました。
「どうせリニューアルするのであれば、他の課題も一緒に解決してしまった方がいいと考え、フルリニューアルを決めました(井上氏)」
理研ビタミンの成功事例を動画で詳しく解説!
井上氏は、フルリニューアルにおいて4つの大きな課題に直面しました。順を追って見ていきましょう。
課題① 経験者がおらず、やり方がわからない
当時の広報・IR室は2名体制で、Webサイトの改善においてはどちらも全くの初心者でした。必要な予算や期間、ローンチまでの流れがわからなかったため、広報・IR室では、まず当時の制作会社にWebサイトリニューアルの流れについて相談し、RFP(提案依頼書)の作り方など、初歩的なことから教えてもらいました。
課題② どこをどう変える? 問題点の洗い出し
RFPを作成するにあたり、具体的にどのような点を変更したいか洗い出す必要がありました。担当者同士で話し合ったものの、何千万もかかるプロジェクトを2人の問題意識だけで進めていいのかという不安がありました。そのため、井上氏は社内でアンケートを実施し、約150件の回答がありました。これにより、デザインやコンテンツ、操作性の面など、既存のサイトに対するさまざまな要望を把握できました。
「前述した「日/英サイトの統一感のなさ」のほかにも、「日本語サイトの階層が深く、欲しい情報にアクセスしづらい」「グローバルナビゲーション(グロナビ:サイトの全ページに表示される共通メニュー)が社内組織ベースで社外向けにはわかりにくい」ことなどが問題点として挙げられました(井上氏)」
課題① 経験者がおらず、やり方がわからない
当時の広報・IR室は2名体制で、Webサイトの改善においてはどちらも全くの初心者でした。必要な予算や期間、ローンチまでの流れがわからなかったため、広報・IR室では、まず当時の制作会社にWebサイトリニューアルの流れについて相談し、RFP(提案依頼書)の作り方など、初歩的なことから教えてもらいました。
課題② どこをどう変える? 問題点の洗い出し
RFPを作成するにあたり、具体的にどのような点を変更したいか洗い出す必要がありました。担当者同士で話し合ったものの、何千万もかかるプロジェクトを2人の問題意識だけで進めていいのかという不安がありました。そのため、井上氏は社内でアンケートを実施し、約150件の回答がありました。これにより、デザインやコンテンツ、操作性の面など、既存のサイトに対するさまざまな要望を把握できました。
「前述した「日/英サイトの統一感のなさ」のほかにも、「日本語サイトの階層が深く、欲しい情報にアクセスしづらい」「グローバルナビゲーション(グロナビ:サイトの全ページに表示される共通メニュー)が社内組織ベースで社外向けにはわかりにくい」ことなどが問題点として挙げられました(井上氏)」
課題③ パートナー候補をどうやって見つけるか
次に取り組んだのは、パートナー企業の選定でした。候補となったのは、既存のパートナー企業、以前取引があった企業、社内特設サイトのパートナー企業、そして新規候補企業からバランスを見ながら抽出した4社でした。コネクティは新規候補企業の1社でした。
2022年1月、RFPをもとに候補企業に対してオリエンテーションを実施しました。
次に取り組んだのは、パートナー企業の選定でした。候補となったのは、既存のパートナー企業、以前取引があった企業、社内特設サイトのパートナー企業、そして新規候補企業からバランスを見ながら抽出した4社でした。コネクティは新規候補企業の1社でした。
2022年1月、RFPをもとに候補企業に対してオリエンテーションを実施しました。
課題④ プレゼンテーションの評価方法は?
オリエンテーションを踏まえ、候補企業からプレゼンテーションを行ってもらいました。「理研ビタミンの現状の課題や要望を踏まえ、いずれも良い提案をしてくれた」と井上氏は述べています。その後、パートナー企業を選定するにあたり、RFP課題に対する提案内容・制作体制・運用体制を総合的に評価する「評価シート」を作成し、点数計算を行いました。また、費用(イニシャル・ランニング)の面やオリエン後の問い合わせへの対応なども細かく比較しました。その結果、パートナー企業として選定されたのがコネクティでした。
オリエンテーションを踏まえ、候補企業からプレゼンテーションを行ってもらいました。「理研ビタミンの現状の課題や要望を踏まえ、いずれも良い提案をしてくれた」と井上氏は述べています。その後、パートナー企業を選定するにあたり、RFP課題に対する提案内容・制作体制・運用体制を総合的に評価する「評価シート」を作成し、点数計算を行いました。
2022年4月、コネクティをパートナーとしてプロジェクトがスタートしました。メンバーの増員もあり、最終的には4名体制での取り組みとなりました。キックオフにあたって、コネクティから提案されたプロジェクトの流れは以下の通りです。
井上氏は、リニューアルからローンチまでの作業で特に苦労したこととして、以下の5点を挙げました。
1. 戦略フェーズと要件定義で決めることが多かった
ほぼ毎週ミーティングを実施し、サイトの構成やデザインなどを細かく決めていきました。
2. 特設サイト間でのレシピ検索を実現したい
コーポレートサイト内、家庭用商品サイト内での検索を一元化しました。それぞれのサイトでシステムの組み方が異なっていたため、手作業でフォーマットを統一しました。
3. BtoB領域の情報発信を強化したい
営業部門では「こちらでお客様とのつながりを持っているので、発信する必要はない」との意見もありましたが、BtoB出身の広報担当者が働きかけ、新サイトの内容にBtoB領域の情報を組み込みました。
4. 問い合わせページの整理
問い合わせページの整理を行い、なるべく違う部署に問い合わせがいかないようにしました。
5. こだわりの強い部署との兼ね合い
部署によってはこだわりのある要望があったものの、全体の統一感を重視し、すり合わせを行いました。
1. 戦略フェーズと要件定義で決めることが多かった
ほぼ毎週ミーティングを実施し、サイトの構成やデザインなどを細かく決めていきました。
2. 特設サイト間でのレシピ検索を実現したい
コーポレートサイト内、家庭用商品サイト内での検索を一元化しました。それぞれのサイトでシステムの組み方が異なっていたため、手作業でフォーマットを統一しました。
3. BtoB領域の情報発信を強化したい
営業部門では「こちらでお客様とのつながりを持っているので、発信する必要はない」との意見もありましたが、BtoB出身の広報担当者が働きかけ、新サイトの内容にBtoB領域の情報を組み込みました。
4. 問い合わせページの整理
問い合わせページの整理を行い、なるべく違う部署に問い合わせがいかないようにしました。
部署によってはこだわりのある要望があったものの、全体の統一感を重視し、すり合わせを行いました。
こうした苦労の末、リニューアルにこぎつけた理研ビタミンのコーポレートサイトはどのように変わったのでしょうか。
まず、英語版サイトについては、日本語版のミラーとして翻訳を実施し、主に海外投資家向けに企業情報が伝わりやすく掲載されました。
まず、英語版サイトについては、日本語版のミラーとして翻訳を実施し、主に海外投資家向けに企業情報が伝わりやすく掲載されました。
次に、トップページについては、社内分類でわかりにくい表記となっていたグロナビや、単純に羅列しただけだった事業内容を大幅に一新しました。サイトを「家庭用トップ」「業務用トップ」「企業情報トップ」の3つに大きく区分し、総合トップは訪問者数が最も多いBtoC向けに設定しました。エリアごとにメニューを切り替え、利用者が求める情報に誘導できるようにしました。
デザイン面では、背景をシンプルな白にすることで、コーポレートカラーの赤を強調しました。また、暮らしに役立つコラムページを新設し、訪問者の興味・関心に合う情報を定期的に更新するコンテンツを設けました。
個人情報保護・情報漏洩対策としては、同意管理ツールを導入して対応を強化しました。IR情報のセキュア環境も確保し、インサイダー取引防止にも配慮しています。
個人情報保護・情報漏洩対策としては、同意管理ツールを導入して対応を強化しました。IR情報のセキュア環境も確保し、インサイダー取引防止にも配慮しています。
「リニューアル後の効果として、ユーザー数、滞在時間の伸長、直帰率の減少については当初の目標を達成しています。また、リニューアルによって強い社内連携が生まれ、情報発信力が上がり、その結果としてブランドの強化にもつながったと感じています(井上氏)」
同社では、ローンチ後に動画コーナー動画で知る理研ビタミンを新設し、海藻の漁獲量の減少を受けた海藻産業活性化への取り組みに関する動画などを紹介しています。井上氏は、トラブル対応などを除くほとんどがコネクティのCMSを使って社内で簡単に更新できるようになったことで、情報発信が充実したと語っています。
井上氏は最後に、「Webサイトをフルリニューアルする機会はなかなかありません。部署にとっても、自分自身のスキルアップにとっても非常にいい経験になるので、もし課題があるのであれば、弊社にとってのコネクティのように、信頼できる制作会社さんとトライすることをおすすめします」と語り、セッションを締めくくりました。
同社では、ローンチ後に動画コーナー動画で知る理研ビタミンを新設し、海藻の漁獲量の減少を受けた海藻産業活性化への取り組みに関する動画などを紹介しています。井上氏は、トラブル対応などを除くほとんどがコネクティのCMSを使って社内で簡単に更新できるようになったことで、情報発信が充実したと語っています。
井上氏は最後に、「Webサイトをフルリニューアルする機会はなかなかありません。部署にとっても、自分自身のスキルアップにとっても非常にいい経験になるので、もし課題があるのであれば、弊社にとってのコネクティのように、信頼できる制作会社さんとトライすることをおすすめします」と語り、セッションを締めくくりました。
理研ビタミンの成功事例を動画で詳しく解説!
※本記事はWeb担当者Forum掲載された「DIGITAL RELATIONS 2024 Summer」のイベントレポートです。